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●社長行状記
既製服の大メーカー栗原サンライズの社長栗原弥一郎は、不況を克服するため、社長自ら紳士服の積極的販売にのりだしたが、ライバルの大阪衣料が、中部一帯に強力な販売網を持つ、尾張屋デパートに喰い入り、サンライズの地盤を切り崩しにかかったのを知った。弥一郎は、直ちに佐々営業部長、小島秘書課長と共に名古屋にくり出し、強力な提携を結ぼうと尾張屋デパート社長小田中を料亭に接待した。だが名古屋芸者一二三は、小田中をそっちのけで、旧交のある弥一郎にベタ惚れ。これで先方が機嫌を損ね、折角の親睦も台無しになった。弥一郎は仕方なく大阪パンドラのマダム町子を訪ねた。だが町子は先客に口説かれている最中。意気消沈した弥一郎だが、先客がフランス一流のファッションデザイナー・チオールの日本支配人安中と聞いて、商売気が盛り上がった。世界一のデザイナー・チオールと技術提携して、漸新なファッションで販売網を獲得しようとしたのだ。一考を案じた弥一郎は、美人秘書原田伸子を使って安中を口説こうと仕向けた。効果てきめん、伸子に魅せられた安中はチオール夫妻が来日するという朗報を伝えた。
チオール夫妻を迎えた栗原サンライズは特に佐々部長が大ハッスル。夫妻の望むパールアイランド、二見ケ浦を中心に、大接待旅行へと向かった。接待の甲斐あって見事チオールとの契約締結の約束ができたが、新たに会社には資金繰りの問題が浮上した。
弥一郎と小島は全国を飛び回り、集金に努めたが、折からの不景気で回収は芳しくない。残り2千5百万円の不足となったところで、移動中の電車の中で急病の老婆を二人が看病した。この老婆が実は尾張屋デパートの会長とあって、尾張屋から2千5百万円の融資を受けることができた。しかし、せっかく準備できた手形の決済費用と同じ金額がチオールとの契約に必要となった。この金額が用意できないとせっかくのチオールとの提携もご破算になってしまう。弥一郎は貸主の太田に借金の返済と同時に再度同額の借金を申し込んでこの危機を乗り越えた。
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